犬の橈尺骨骨折は若齢の小型犬(トイプードル、ポメラニアン、ヨークシャテリアなど)に起こりやすい前肢の骨折です。
抱っこ中に誤って落下した際や、ソファーから飛び降りた際に起こりやすく、症状としては前肢の完全挙上が認められます。
前十字靭帯は膝関節において、大腿骨の後方から脛骨の前方に走行し、膝関節の安定的な動きを支える重要な靭帯です。この靭帯が断裂すると脛骨が前方に飛び出し、足を負重することができなくなるため、跛行がみられます。
原因としては老齢化やホルモン異常などの基礎疾患による靭帯の脆弱化や、肥満による負重の増加がある場合に、膝に対して急激な力が加わることで発症すると考えられます。また膝蓋骨脱臼も発症要因となります。
頚椎の椎間板が突出して、脊髄を圧迫する病気です。症状の程度によりグレード分類されています。
グレード1の軽症例では抱き上げる時に鳴く、どこか分からないが痛がるなどの症状がみられます。痛みのレベルが強いと活動性が低下することもあります。
グレード2は足のふらつきなど神経学的な異常がみられます。
グレード3は起立困難、四肢の麻痺など重度の神経学的異常がみられます。
写真のわんちゃんは前後の足が前に突っ張り、起立困難な状態です。
症例は8ヶ月齢のトイ・プードルの男の子です。3週間前から左後肢の跛行がみられ、他院を受診したが治らないとのことで来院されました。
レントゲン検査を行ったところ、写真のように左足の股関節に異常が認められました。
画像所見からレッグ・ペルテス病(大腿骨頭壊死症)と診断しました。