精巣腫瘍は通常10歳以上の高齢犬で多い病気です。
セルトリ細胞腫、間細胞腫、精上皮腫のいずれかである場合がほとんどで、前立腺過形成、乳房の雌性化、両側性の対称性脱毛などの症状が認められます。
精巣腫瘍は一般的に良性であるものの、まれにリンパ節や肝臓、肺などに転移することもあります。またセルトリ細胞腫は時に重篤な骨髄抑制を生じ、死に至ることもある病気です。
写真は未去勢の雄犬ですが、乳頭が雌犬のように発達している様子がわかります。
マラセチアとはカビの一種(真菌)で、健康な動物の皮膚や耳道などに常在しています。しかし、アレルギーなどが原因で皮膚に問題が生じるとマラセチアが異常に増殖して皮膚炎を起こすことがあります。また、マラセチア菌は『皮脂』を好むので、シーズーや柴犬など生まれつき皮脂の多い犬種で多くみられます。
また、湿度・温度の高い環境で増殖しやすいため梅雨~夏の時期にかけて発症が多くみられます。同じ理由から、身体の擦れやすかったり、ムレやすい場所(指の間、耳、首、わきの下、お腹や肛門まわりなど)で増えやすいです。
マラセチア菌へのアレルギー反応として皮膚炎が生じることもあると言われています。