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犬のニキビダニ症は皮膚に常在寄生するニキビダニが原因で発症する皮膚病です。“ダニ”と聞くと焦げ茶色の丸い寄生虫(マダニ)をイメージされる方が多いですが、マダニとは違いニキビダニは顕微鏡で観察しないと確認できず(写真)、フロントラインなどの滴下タイプの予防薬では駆除できないダニです。
健康な皮膚にも寄生しており、通常は発症することはないのですが、何らかの原因で免疫が低下すると皮膚病を発症すると考えられています。
症状
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症状は強い痒みを伴う脱毛がみられます。症例1のようにうっすら脱毛があり、目立った発赤のない軽度のものや、症例2のように赤みが強く舐め壊してしまうような状態もよく見られます。
いずれも皮膚を掻爬して、顕微鏡でダニを確認することで診断されます。
治療例
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上記の症例のように、アトピーと誤診され、症状が重篤化してセカンドオピニオンで来院される事もあります。初診時は皮膚に潰瘍ができるほど炎症が強く、強い痒みで悩まされておりました。当院での検査結果からニキビダニ症と診断し、治療を行ったところ、写真のように5ヶ月後にはトリミングできるほどフサフサに発毛しました。
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最近の治療と予防法
ニキビダニ症の治療薬は、従来、ドラメクチンやイベルメクチンといった注射薬が選択されてきましたが、何度も通院しなくてはなりませんでした。それが近年では内服タイプのノミ・ダニ予防薬(ネクスガードやブラベクト、シンパリカなど)でニキビダニ症の治療効果があることが分かり、本例も最初の数回だけ通院してもらい、あとは3ヶ月効果が続くブラベクト錠を投与して治療を行いました。
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これから春に向けて暖かくなると、ノミやマダニが活発化してきます。予防には従来型の滴下薬よりも内服タイプの方が足先や耳先まで薬の効果が行き届くうえ、ニキビダニや疥癬にも予防効果があるため、当院では内服タイプのネクスガードやブラベクトをお勧めしています。3ヶ月予防効果が続くブラベクトは昨年、猫ちゃん用も新発売されましたので、ご希望の方はスタッフまでご相談ください。