尿管結石と膀胱結石を摘出したトイプードル

14歳のトイプードルの男の子です。

4年前に血尿がみられてから他院で膀胱癌と診断され、ずっと薬を飲み続けていたそうです。

尿の出が悪い、血尿、頻尿といった症状が続いていて、今回当院を受診されました。

 

レントゲン写真では尿管の位置と膀胱の位置に結石が認められます(矢印)。

 

上の写真は超音波検査ですが、写真右のように症例犬の腎臓は正常な構造を失い、中央に黒い部分がみられます(*)。これは水腎症といって、腎臓で作られた尿が結石により行き場を失い、腎臓に溜まっている状態です。

このワンちゃんは血液検査で腎臓マーカーが上昇していたため、この水腎症を改善しないと腎不全になってしまう可能性がありました。

そこで今回は水腎症の改善を目的として、尿管結石と膀胱結石の摘出手術を行うことにしました。

写真の点線部分は閉塞により拡張した尿管です。通常はここまではっきりと見えません。

写真は尿管結石を摘出している様子です(矢印)。

尿管は非常に繊細な組織ですので慎重に扱います。

尿管結石は2つ摘出されました。

ワンちゃん達は言葉を発せませんので、痛みがどの程度だったか分かりませんが、表面はトゲトゲしており、相当な痛みがあったのではないかと推察します。

同様に膀胱結石も摘出しました。

 

膀胱粘膜の生検も行い、膀胱癌はないことが分かりました。

 

手術後、1か月後の腎臓です(写真右)。中央に溜まっていた尿も排出され、腎臓本来の構造が分かるようになりました。

術前は異常だった血液検査値(BUN=62.0mg/dl、CRE=2.1mg/dl)が、術後は(BUN=24.9、CRE=1.4)と改善され、罹患していた腎臓の機能が回復したことが分かります。高齢のワンちゃんでしたが元気が取り柄の男の子なので、治療して良かったと飼い主様にも喜んで頂け、大変な手術でしたが頑張った甲斐がありました。

まだまだ元気でいてもらいたいです!