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今回ご紹介する症例は歯肉の赤みが認められたメインクーンの猫ちゃんです。
上顎の臼歯周辺の歯肉組織が赤く腫れ上がっている事が分かります。
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この子は症状が軽度のうちに、歯肉の生検とウイルスの検査を行うことになりました。
その結果、カリシウイルスが関与した慢性口炎(リンパ球プラズマ細胞性歯肉炎)と診断されました。写真は切除した歯肉の病理組織像です。
まだ若い猫ちゃんなので、ご家族とも相談し、ステロイドの使用はなるべく避ける為にインターフェロンを中心とした治療を行うことになりました。
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![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=677x10000:format=png/path/s66a39dfbbd1da1d9/image/ibeefd7c35f8c1b6f/version/1440035315/image.png)
上の写真のように、週に3回のインターフェロン静脈注射を2クール行ったことにより、歯肉の腫れと赤みが軽減されました。
わずかに赤みが残っていますが、ステロイドの口腔内軟膏を塗ることで悪化を防ぐことが出来ています。ステロイドの全身投与を行うよりは、猫ちゃんへの負担が軽く済みます。
猫の歯肉炎は悪化すると食欲不振や口臭、流涎などの症状が現れます。また、完治させることが難しい病気として知られ、症状の緩和を目的としたステロイドの全身投与や全臼歯抜歯が必要となるケースが多くみられます。
さらに、慢性炎症が続くことで、全身性アミロイドーシスなどの難病に至る事もあり、早期に対処してあげる事が重要です。
今回の症例のように、インターフェロンが奏功するケースもありますので、猫ちゃんの歯肉炎にお気づきの場合はご相談ください。