子宮蓄膿症

先日、ワクチン接種を希望され、11歳のチワワの女の子が来院されました。

よくお話を伺うと、ここ最近食欲が落ちているとの事でした。

また、注意深く触診するとお腹の張り具合に違和感を感じ、このワンちゃんは避妊手術もしていなかったことから、念のため画像検査を行うことになりました。

超音波検査では明らかな子宮の拡張が観察され(*マークの部分)、子宮蓄膿症が強く疑われました。

レントゲンでもかなりの大きさに子宮が拡大している事が分かります(黄線)。


このことから、さらに血液検査を行ったところ白血球数が非常に高い値を示し、この子は子宮蓄膿症による敗血症状態にあることが分かり、ご家族との相談のうえ当日に緊急手術することになりました。

開腹すると写真のように子宮は大きく拡張しておりました。

後に切開すると内部から多量の膿が排出されました。

このように避妊手術をしていないワンちゃんは高率に子宮疾患を発症するため、出産を考えていない場合は若いうちに避妊手術をお勧めしています。

今回の症例はワクチンのタイミングでたまたま早期発見されましたが、状況からみてあと数日遅ければ、敗血症性ショック等の命に関わる状態に陥っていた可能性があります。

早期発見されれば回復も早く、手術翌日には穴掘りをするぐらい元気になりました!(動画)